セラフタイムズ2026年1月号
29/60

おのざわ えり小野沢 栄里29生きている時間をハッピーに!その子らしく生きる時間を守るColumn麻布大学獣医保健看護学科講師愛玩動物看護師向けの外部セミナー講師や「臨床動物看護ガイド 1-3 巻」の執筆・監修を行うほか、学会や研究会などの運営委員も務めている。専門は動物のがん看護や高齢動物のケア、動物医療グリーフケア ®。 犬や猫と暮らす家族にとって、「がん」という言葉は大きな不安をともなうものです。近年、獣医療の進歩により、早期発見・早期治療が可能になり、治療の選択肢も広がっています。しかし、治療そのものだけでなく、がんとともに過ごす日々の中で、“ その子らしく生きる時間を守る ” ことはとても大切です。 がんは皮膚のしこりとして現れるもの、血液や内臓で発生および進行するものなど、その姿はさまざまです。食欲の低下、体重の減少や元気がなくなるといった小さな変化ががんのサインである場合もあります。だからこそ、日々の観察と定期的な健康診断が早期発見の鍵となります。 がん治療は、外科療法・がん薬物療法・放射線療法があります。治療法はすべての子に同じ方法が合うわけではなく、がんの種類や大きさ、発生部位、転移の有無、さらには動物の年齢や性格、家族の思いを総合的に考え選択することが求められます。 がんと診断されたあと、時間に限りが生まれることが多い中、残された時間をどう過ごすか、その子が輝いて生きるのを支えることが大切です。動物は自分ががんであるということも、今の自分の状態も理解できていません。動物の目線に立ち、その子がハッピーに過ごせるにはどうしたら良いか、考えることは非常に重要です。その子にとって大切なことは何でしょうか?家族から名前を呼んでもらうこと、撫でてもらうことや、褒めてもらうこと、抱っこしてもらうこと、家族の笑顔など、当たり前に過ごしてきた家族との温かい生活ではないでしょうか。私たちに素敵な時間をくれる動物たちの生きている時間がハッピー!となるよう過ごしていただければと思います。

元のページ  ../index.html#29

このブックを見る